2022.11.09 up date

DAY4|レポート|基礎講義③地域プロジェクト概論【STAND IBARAKI 2022】

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基礎講義3日目は、「事業を浸透させるステップ」をテーマに講義を行いました。

はじめに事務局の鈴木高祥さんより「関係人口の良い企画のつくり方として企画と発信の手前のはなし」について、水戸経済新聞編集長の高木真矢子さんより「ローカルにおけるメディアの役割・SNSの使い方」について、最後に「プロジェクトにおけるデザインの役割・アートの可能性」としてグラフィックデザイナーの小池隆夫さん、オーディオビジュアルアーティストの赤川純一さんよりお話をいただきました。

開催概要

<日時>
2022年10月12日(水) 19:30~21:30 @オンライン

<講師>

鈴木高祥さん
株式会社カゼグミ代表取締役/合作株式会社 取締役

茨城県水戸市出身。2018年より、茨城県移住促進事業に関わり、東京〜茨城との2拠点生活がスタート。2021年より鹿児島県大崎町にも関わり3拠点目となる。

高木真矢子さん
合同会社JOYNS CEO/水戸経済新聞編集長/ライター&エディター、プロデューサー

茨城県常陸太田市出身・水戸市在住。人生を模索しつづけ、紆余曲解の末、2018年にライター事業、ウェブメディア「水戸経済新聞」運営、PR事業などを展開する「合同会社JOYNS」を設立。中3・小6の子どもたちは個人事業主。互いの「個」を尊重しあう、新たな家族の形「個育て」を楽しむ

小池隆夫さん
グラフィックデザイナー

茨城県笠間市在住。DIVE代表。専門学校文化デザイナー学院広告プロモーション学科非常勤講師。出身の結城市にて「結いプロジェクト」の活動に参加。ブランディング/ロゴ/パッケージ/ウェブ/広告など、グラフィックデザインの領域を中心に活動しています。

赤川純一さん
オーディオビジュアルアーティスト・Ableton認定トレーナー

茨城県龍ケ崎市出身。プログラミングやセンサーを用いてインタラクティブなシステムを構築し、ライブパフォーマンスやダンス作品、インスタレーションなどの制作を行う。京都STEAMとMUTEK JPによって始まった「NAQUYO-平安京の幻視宇宙-」に参加。

講義内容をレポート

鈴木さんのお話し

▼アイディアを生むには

他流試合が必要だと鈴木さん。

自分でやってみないと何がいいのかわからないので人のプロジェクトを手伝うことが近道になる。そこでの気づきや冷や汗かいて学んだことが一番のアイディアの源泉になる。

▼アイディアはどう生むか

アイディア:既存のモノと掛け合わせ ◯◯×◯◯
ターゲット:具体的に第三者が見てもわかる具体像に
視点:他人の思考で考える、困っている人の視点で考えよう

▼企画にするには

アイディアを企画にするコツ
新規性(いままでにないか) < 一緒でもいい、あなたらしいか
アイディアの質を高めるポイント
たくさん実践をすること(失敗を恐れない)、一回まねる

▼アイディアをまとめる

アイディアをまとめる3つのイメージ

役割を決める
→自分の役割

関係性を整理する
→手伝ってくれる人や場所を貸してくれる人のメリットやお金の流れを整理する

価値を言葉にする
→あなたにとって、私にとっての結果やメリットを言葉にする

「共感」、「公共」、「尊敬」のバランスを意識し、お互いリスペクトしあうことでプロジェクトは前に進んでいくと鈴木さん。

高木さんのお話し

▼ローカルプロジェクトを発信するには

デジタル化によって、地域の枠を超えて読者・視聴者はボーダレスになっている。これからは、地域の中で共通の場を設定し、共通の話題を議論できるメディア(紙媒体、ウェブメディア、場等)が存在することで、地域性を保持しながら自分たちの歴史や文化を守り発展させていくことができる。

マスメディア(4マスメディア)、オウンドメディア(自社メディア)、ソーシャルメディア(SNS)といったトリプルメディアを活用した発信が必要。

▼プレスリリースをメディアに取り上げてもらうには

数字等のデータ、どんな企業・プロジェクトか等の創業についての概要を主観で物事を書かず、誰がやっているのか、どんな取り組みなのか、目的や今後目指す先までを一貫してストーリーとして情報をまとめてあるといい、と高木さんからアドバイスをいただきました。

小池さんのお話し

▼「思い、ふるまい、見え方」3つの視点で考える

何か活動やブランドの価値を作りたいと思った時に、「思い、ふるまい、見え方」の3つの軸がぐるぐる相互作用していくとうまく育っていくと感じている。

▼あるものを活かす

よそからビジュアルを持ってくるのではなく、あるものを活かすのが根底にあるアプローチ

▼思い/ふるまいを象徴する見え方

活動される方の思い、行動の印象、象徴するものとベクトルが同じになる必要がある

▼見え方が思い/ふるまいに影響する

見え方が来る方・働く方に影響するも同じようにある

ロゴをデザインする際には、空間が持つ特徴やそこにある什器の特徴などヒントにロゴを通して浮かび上がらせる・共鳴し合うように目指して作っている、と小池さん。

▼体験価値=時間×質の蓄積

体験価値とは同じようなものをいっぱい作っていき、時間×質の蓄積で価値がユーザーやチームにとって感じられるもの。視覚的にも同じような価値のものをどれだけ積み重ねていけるか、タッチポイントをどう増やしていけるかで体験価値をどう増やしていけるのかを繰り返し行っている。

▼ポスターを見せたいのではなく、ポスターを飾ってある風景を見せたい

グラフィックは作ったものが仕事と思われがちだけど、作ったものが置いてあることで見える風景が最終的に目に触れるもの、記憶に残るもの。そう話す小池さんは以下3つのことを意識してグラフィックをデザインしている。

▼文脈に置く

何かを認知してもらうことにおいて人の過去の体験に想起させて、それに対してどう意識(似てる・違う・差別化されているか等)させるか

▼コントラストのコントロール

共通点や異なる点をコントロールしていき、誰にとってどういった体験価値を与える必要があるのか、ユーザーを第一に考える

▼風景をつくる

グラフィックは単独でできるわけではなく、風景の一部となり、またグラフィックが何か違う風景に影響する。それは人の心理的影響を考え、行動に影響する。

ローカルプロジェクトにおけるデザインの役割として、「技術や考え方を使ってその物事、プロジェクトのらしさ(価値)を浮かび上がらせていくことをやっている」と小池さんは言います。

赤川さんのお話し

▼「知らせたい事×どうやって×どこで」3つの要素を用いて表現を演出

場所に合わせた表現をする際に、3つを組み合わせることで生まれる演出・表現ができるのではないかと赤川さん。

INPUT×OUTPUT×SITUATION

・INPUT(時刻・天気・GPSなど)

・OUTPUT(音・映像・照明・テキストなど)

・SITUATION(公園・部屋・駅など)

▼掛け合わせを変えることで新しい表現が生まれる

1つの要素を変換する際にキーワードを組み合わせることで一体感のあるアウトプットができるのではないか、そしてそれは音楽や映像に限ったことではない。

ダンスパフォーマンスを例に挙げると、

人の体の動きを視覚的に捉えるのか、手の動きによって発せられる音によって感じるのか。

視覚に頼っていたものが実は聴覚の方がより体感することができるといったこともある。

プロジェクトで伝えたいものの魅力を伝えるメディアを変えることで面白い表現が生まれるのではないかと赤川さん。

最後に

今回も講師の4名からのそれぞれ経験に基づく濃い内容の講義から、ローカルプロジェクトを進めていくために大切なこと、自分たちらしいプロジェクトにするための様々なヒントをいただきました。それぞれが「自分らしい」届け方でプロジェクトを伝えていけるといいですね。


▷STAND IBARAKIとは

茨城をフィールドにあなたの想いをカタチにする学びと実践のプログラム。

地域のキーパーソンからの学びや、つながりを得ながら「自ら設定したプロジェクト」のプロトタイプを実践します。メンターとして迎えた県内外の地域プレイヤーからのサポート・フィードバックを受けながら挑戦できるのも特徴。あなたのはじめの一歩を応援します。

◎STAND IBARAKI (facebook) https://www.facebook.com/standibaraki

◎茨城移住計画(facebook) https://www.facebook.com/ibarakiiju

◎STAND IBARAKI https://standibaraki.jp

お問い合わせ ibaraki.iju@gmail.com

【主催】茨城県
【運営】茨城移住計画