2023.03.14 up date

DAY8|公開作戦会議〜MVP受賞者3組をさらにブラッシュアップ〜【STAND IBARAKI 2022】

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STAND TOKYOによるイベント「STAND IBARAKI 公開作戦会議〜MVP受賞者3組をさらにブラッシュアップ〜」を2023年2月23日に開催しました。STAND IBARAKI2022最終プレゼンでMVPを受賞した3つのプロジェクトたちの「これから」を参加者と共に考える今回のイベント。茨城県外からの参加者だけでも、18名の方がブラッシュアップに力を貸してくださり、ゲストやプロジェクトオーナーと一緒にプロジェクトの「今後」を話し合う白熱の時間となりました。

<開催概要>

<日時>2023年2月23日(木)14:00〜16:30 @cafe salvador(東京都茅場町)

オープニングセッション

イベントのオープニングは、STAND IBARAKメンターの中川ケイジさんと、昨年度STANDのMVP受賞者・新妻幹生さんをゲストに迎えてのトーク。はじまり商店街の柴田大輔さんのファシリテーションで、STAND IBARAKIの振り返りと、それぞれがプロジェクトを進める上で大切にしていることを語って頂きました。

▼ゲストプロフィール
中川ケイジ
さん(STAND IBRAKI2022 メンター)

有限会社プラスチャーミング 代表/一般社団法人日本ふんどし協会 会長

兵庫県神戸市出身。現在水戸市在住。 2011年ふんどしブランド『sharefun®(しゃれふん)』で起業。縫製は被災地、発送は就労支援作業所と関わる皆がハッピーな循環を目指す。「ソーシャルプロダクツアワード2022」受賞。今年ノーパンで履ける『ととのうパンツ®︎』をリリース。透明性のあるプロダクト作りと、お金をかけずにメディアを巻き込むのが得意。

https://totonoupants.com/

新妻幹生さん(STAND 2021 NEW IBARAKI賞 | 発信力が弱いなんて言わせない!茨城発信力強化プロジェクト IBAAPI)

茨城県北茨城市出身。リクルートグループの企画営業・経営企画経験後、地元の総合学園に転職・広報室立ち上げメンバーに。Uターン1年目の2021年にSTANDに参加。発信力最大化→地域活性化を図ることを目的とした、茨城県北地域の「発信したい人」と「発信してほしい人」のマッチングサービスを起案。2023年現在、日立市の事業「ひたち若者かがやき会議」でHITACHEER(日立+応援の造語)とプロジェクト名称を変えて継続中。

▼ファシリテーター

柴田 大輔さん(株式会社はじまり商店街 共同代表取締役/コミュニティビルダー)

1988年生まれ。 秋田県秋田市出身 幼少の頃から、家族・学校・社会のコミュニティに疑問を抱く。 鎌倉を拠点にシェアハウスやゲストハウスの運営していた。 他にもカフェ・バル・家具屋に関わりながら、街のコミュニティづくりを行う。

2017年4月BETTARA STAND日本橋のコミュニティービルダーになり、映画上映・まちづくり・地域と連携した飲食のイベントなど年間200本以上を運営・企画。

2018年8月より、はじまり商店街スタート。年間300本のイベントや、”はじまりをはじめる”きっかけづくり、各種コミュニティ支援を行う。

◎STAND 2022振り返りトーク&メッセージ|中川ケイジさん

中川さん 

メンターとしてプロジェクトオーナーたちと話す機会が多い半年間でしたが、みなさん共通の悩みを抱えがちだと感じることがありました。

それは、「自分の取り組みで地域の課題を解決しなければ」という意識に囚われてしまい、自身が「楽しくない」状態になってしまうこと。メンタリングの際に「この手段でプロジェクトを進めていて本当に楽しい?」という問いを何人かにした記憶が残っています。

MVPを決める最終プレゼンピッチ後の審査でも、「行動をどれだけ起こせているか」と並んで「オーナーが楽しくプロジェクトを進めているか」は各審査員共通の評価ポイントでした。なぜなら、楽しそうにしていない人のことを応援してくれる人はいないからです。

仕事やプロジェクトを進める上で「自分に誠実であること」は大切にしたいことですね。完璧でなくても、楽しそうにしている人の周りには、人が集まってくるものです。

やりたいことの内容はどんどん変化したっていい。みなさんには、どんな時も「自分が楽しくいられるように」あって欲しいなと願っています。

◎受賞後1年経って、変わったこと変わらないこと&メッセージ|新妻幹生さん

新妻さん

地元にUターンしたタイミングで参加した昨年のSTAND。プロジェクトの事業計画書を書いたことは「自分は今後どう生きていきたいか」を考えることに通じる出来事でもありました。現在は、STANDがきっかけとなりはじまったプロジェクトの他にも、学校広報や地域PRの仕事を行うなど、一貫して広報や発信を続けています。

1年経って自分が変化したと感じる点は、もっと「自分の『やりたい』に素直になってもいいのかもしれない」と思えるようになったこと。「やりたい」だけを理由に行動することも増えましたが、それが還元されるという事例にもたくさん出会いました。

ただ気をつけたいことは「〜がしたい」は実は「手段」であることが多い。「なぜこれをやりたいのか」という自分への問いを繰り返すことで、「〜だからやりたい」という素直な自分の気持ち、そして自分の強みが見えてくるのではないでしょうか?

MVP受賞プロジェクトオーナープレゼン

ブラッシュアップ会議の前には、改めてMVP受賞オーナーによるプロジェクトの説明と、今回の公開作戦会議で「参加者に一緒に考えて欲しいこと」の共有を行います。この後には、ここで上がったオーナーからの問いをもとに作戦会議が控えます。

▼NEW IBARAKI賞|メンター&オーディエンスの総合評価

「大子町の新しい未来をつくる 石蔵のサウナがある古民家宿」

和田真寛さん

<プロジェクト概要>

自身の二拠点生活地・大子町の古民家をプライベートサウナ付きの一棟貸しの宿に改築。「日帰りサウナ」「宿」「交流拠点」の3つのコンテンツを提供し、観光の閑散期の集客や観光客の宿泊率の低さにアプローチするプロジェクト。

地域のリソースを使い、サウナを起点に大子町のアクティビティなどの体験のハブ、人が出会い新しいコトが生まれる場を目指す。

https://www.facebook.com/masanori.wada.58/

◎公開作戦会議で聞きたいこと&相談したいこと

・お酒を楽しむサウナ、子供と入るサウナ、家族で楽しむお風呂について意見が聞きたい

・大子の特産りんごを使ったロウリュウはどう思う?

・クラウドファンディングのリターンは何が嬉しい?

・タグラインを考えたい。協力してくれる人募集中! 

▼STAND IBARAKI賞|プロセスとファン獲得が面白い賞

「潮来SUP」

横地綾人さん

<プロジェクト概要>

舟運や観光で栄えた町・潮来の水辺に、再び人が集まる文化を作るプロジェクト。

地元・鹿行地域の住民や千葉•東京等の周辺地域の住民へ水辺のアクティビティSUPを入り口に提案する。現在、潮来の水路を利用したSUPイベントを毎週末に開催中。今後は行政や地元高校、水辺の事業者とも協業していきたい。

https://www.instagram.com/loc_sup_itako/

◎公開作戦会議で聞きたいこと&相談したいこと

・水辺に目を向けてもらうために面白いことがしたい

ミズベ×シアター、ミズベ×サステナブル、ミズベ×ミュージック、SUPをした後のチルアウトにピッタリなのはどれか意見が欲しい

▼オーディエンス賞|みなさんの投票で決定

「まちをつくるアパート〜こみと〜」

大越瑞生さん

<プロジェクト概要>

自身のアパート「おおこしハイツ」をリノベーション。周辺店舗などの地域の遊休不動産を活用しながらまちづくりを行う。

アパートを拠点に自分やそこに集う人たちの「理想の暮らし」を日々実践する事で、人々の根っこに共通する暮らしのあり方に触れ、地域活性化やまちづくりにつなげるプロジェクト。

https://www.instagram.com/ibaraki_omuraisu/

◎公開作戦会議で聞きたいこと&相談したいこと

・みなさん自身は、どんな暮らしがしたいですか?理想の暮らしはどんなものですか?

・あなたと僕の暮らしに、接点があるとしたらどこだと思いますか?

公開作戦会議

プレゼンテーションとオーナーからの問いの発表後は、いよいよ公開作戦会議開始。参加者はそれぞれのプロジェクトオーナーを囲み、プロジェクトを今後ブラッシュアップするためのアイデア出しや意見交換などの「作戦会議」を行いました。45分間の濃厚な作戦会議の結果、オーナーたちが発表した、気づきや今後の指針を下記に抜粋します。

▼作戦会議で気づいたこと|和田真寛さん(大子町の新しい未来をつくる 石蔵のサウナがある古民家宿)

みなさんには「どんなサウナがあったら嬉しいか」をテーマにお話を聞かせてもらいました。その中で、一番印象的だったのは「サウナに入らない人の満足度を下げない仕組みが必要」という意見です。子どもや、子どもに付き添う必要のある人、そもそもサウナが苦手な人など、グループ利用の場合サウナに入らない人もやってくることが想定できる。もっともなので、今後「入らない人」に向けたコンテンツも加えて行きたいなと思いました。

また、クラウドファンディングについては、リターン設計の前に「サウナや宿の世界観の整理」私自身の「強みの整理」が再度必要かもしれない、とみなさんとお話をしていて改めて実感しました。

作戦会議で気づいたこと|横地綾人さん(潮来SUP)

「街を知らない人の方が街を見ている」というのが私の持論で、東京出身の私だからこそ得られる潮来への視点があると思っていました。ただ、今日「潮来市を知らない方たち」ともたくさん話をしてみて、僕自身の感覚が段々と「潮来のなかのひと」になっていることに気付かされました。改めてフレッシュな気持ちを持つことが大事だなと感じた出来事です。

また、水辺で夜間のイベントをするのが面白いのではないかという意見も頂き、同じ場所でも、朝・昼・夜と分けることで、それぞれの時間の「水辺の価値」が生まれるのではないかと発見がありました。実は、イベントでの集客については刹那的な印象があり、今後続けるべきかとの悩みもありましたが、今回の会議で人が水辺に集う状況が継続することが大事と感じ、このまま継続することを決めました。

作戦会議で気づいたこと|大越瑞生さん(まちをつくるアパート〜こみと〜

会議に加わってくれたみなさんと「理想の暮らし」をシェアしあった結果、理想とするものがドンピシャに一致することも多く「みんなで一緒に暮らしたくなっちゃった!」というのが第一の感想です。この話題には、私のアパートがある「水戸市に住む際の理想の暮らし」の視点と、場所に囚われず共通する「自身の理想とする暮らし」の2つの視点があると思います。2つに接点はあるのだろうかとの心配をよそに、数人から話題に上がったことは「二拠点生活」というワードでした。

特に興味を持ったのが、「家の周りに四季を感じる土がある暮らしをしたい」と言う理想の姿。農業や山の暮らしがしたいわけではないけれど、自然や季節をそばに感じていたいという人にとって、水戸市は「ちょうどいい中間地点」になるのではないかと思います。私のアパートが、「暮らしのチュートリアル」として機能することもあるのではないか、そんな発見になりました。今後も、誰かの理想の暮らしを叶えられるような存在として、関わりあいを続けていけたらいいなと改めて噛み締めています。

おわりに

STANDIBRAKI2022最終プレゼンピッチから2週間ほどで開催された今回の公開作戦会議。MVP受賞オーナーたちによるプレゼンや、今後の課題感の共有は、このわずかな期間の間にもプロジェクトが着実に前進していることを伺い知ることができるものでした。またオーナーたちは、この日茨城を飛び出し、新鮮な顔ぶれの参加者とも意見交換ができたことで、新たな視点の発見や再考すべきポイントへの気づき、改めて自分の原点に立ち返るなど、多くのヒントを得たようです。

イベントは終了となりましたが、プロジェクトはこれからも続きます。ご参加のみなさまにも、茨城やローカルの活動に興味があるみなさまにも、引き続きの応援をいただけたら幸いです。


▷STAND IBARAKIとは

茨城をフィールドにあなたの想いをカタチにする学びと実践のプログラム。

地域のキーパーソンからの学びや、つながりを得ながら「自ら設定したプロジェクト」のプロトタイプを実践します。メンターとして迎えた県内外の地域プレイヤーからのサポート・フィードバックを受けながら挑戦できるのも特徴。あなたのはじめの一歩を応援します。

◎STAND IBARAKI (facebook) https://www.facebook.com/standibaraki

◎茨城移住計画(facebook) https://www.facebook.com/ibarakiiju

◎STAND IBARAKI https://standibaraki.jp

お問い合わせ ibaraki.iju@gmail.com

【主催】茨城県
【運営】茨城移住計画