2021.

1.14

2021.03.31 up date
REPORT

関係人口プロジェクトから茨城にUターンした3人の話を聞こう! STAND TOKYO

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日時
2021年01月14日 (木) 20:00〜22:00
参加費
無料

 

1月は、茨城県の関係人口プロジェクト「if design project」の参加者3人が登場。参加後、茨城県にUターンした3人にプロジェクトに参加してみておこった変化や気づき、誰もが気になる地方へUターンする際の葛藤についてシェアしていただきます。

 

▼if design projectホームページ

https://if-design-project.jp/

 

▼概要

◆坂本裕二さん
if design project 第1期 スポーツ×地域に参加。水戸ホーリーホックの地域課題に取り組みました。参加者時点では横浜に在住。2019年に城里町地域おこし協力隊としてUターン。現在の城里町でのミッションは、水戸ホーリーホックがクラブハウスとして活用する「アツマーレ」の活用の模索。Uターン前不安に思っていたことや、Uターン後の焦りや気づきについて伺います。

https://shirosato-okoshi.com/

 

◆平間一輝さん
if design project第2期 海×地域に参加。大洗観光協会の地域課題に向き合いました。
参加者時点では、都内在住の会社員。大洗駅に新設された「うみまちテラス」に2020年8月Uターン就職。現在もif design projectのチームメンバーと「大洗カオス」を運営し、大洗でのコンテンツ開発を行っています。大洗に住む人との関わりで、大洗が良くなる未来を確信したという平間さんに、地域の魅力や心がけていることをお話いただきました。

https://oaraichaos.com/

 

◆飯塚菜月さん
if design project第2期 農×地域に参加。結城市の宮崎協業と共に地域課題について考えました。参加者時点では、都内在住の会社員。2020年12月にアーストラベル水戸株式会社にUターン就職します。大学で社会学・観光学を学んだことを活かし、旅行業会で活動中。
Uターンを長く迷っていた飯塚さんが、if design projectでの出会いでUターンを決意するまでに起こした行動や、コロナ禍で気づいたことを伺います。

https://earthtravel2019.com/

https://note.com/earthtravel_mito

ダイジェスト

レポート

▼坂本裕二さん(城里町地域おこし協力隊)のお話

if design project 第1期 横浜>>城里町

◆1.if design projectに参加しようと思った理由

if design project参加時は横浜で働いていた坂本さん。参加のきっかけは、茨城との繋がりを持つことで、自分の仕事に活かせるかもしれないと思ったことだったそう。

「茨城出身で、横浜で働く以前は水戸市の会社に勤務していたこともあり、茨城県内の知り合いも多かった。その時は、東京圏と茨城県内にネットワークを作ることで、将来、横浜と水戸市で二拠点生活をする足がかりにしたいとの考えもありました」

◆2.Uターンまでの葛藤はなかった?

当初は二拠点生活を考えていた坂本さんですが、if design project参加後、城里町役場のまちづくりを行っている担当者から地域おこし協力隊として声がかかり、協力隊として城里町に移住をすることに。Uターンまでの葛藤はかなりあった、と坂本さんは語ります。

当時の仕事を横浜ではじめてまだ1年目。横浜での日々も充実しており、横浜に残って経験を積むべきか悩んだと言います。また、会社勤めの当時にくらべ年収が半分以下になる事や協力隊の雇用には任期があるという面にも慎重になったそう。

◆3.Uターンしたみての気持ちの変化

「今は、『変化の時代』移住や協力隊の仕事もあくまで長い人生のキャリアの一つと捉えて、自分らしく生活しています」と、城里町に移住して1年半ほどが経過した今の気持ちを話します。

ただ、そんな日々の中にも焦りはある、と続けました。

「任期はあと1年半ほど。その後の仕事の作り方を模索しています。現在の自分は、仕事をバリバリやっていますというよりは、ある意味モラトリアム期間かもしれません。

とはいえ、地方には仕事の可能性はたくさんあると気づきましたし、自分がどこに注力し、どこで収入の柱を作るのかを焦りながらも考えているところです」

城里町に移住してみて、首都圏の人と交流する「拠点」が出来たとも感じているという坂本さん。東京や神奈川から城里町の家に遊びにきてくれた人の数はもうすぐ100人になるのだとか。

現在、仕事やプライベートでも、東京方面と茨城の行き来が多いそうで、今後については、そのネットワークを活かし、就職というより「自由な働き方」を目指すことが出来ればと思っている、と話してくださいました。

▼平間一輝さん(うみまちテラス)のお話

 if design project第2期 東京>>大洗町

◆1.if design projectに参加しようと思った理由

参加当時、都内で会社員をしていた平間さんは、もともと大洗町の出身。地元大洗町の地域活性がしたいと考えて、if design projectに参加したそう。if design projectの魅力は、自分がプレイヤーになれることだったと話します。

「都市で行われる多くの地域活性ワークショップは、地元の話を聞き、それに対しての意見交換をして終わり、ということがほとんどですが、if design projectでは実際に地域に足を運び、『地域のプレイヤー』として活動できるんです。それがすごく魅力的で、やりたいことでした」

◆2.Uターンまでの葛藤はなかった?

平間さんはif design projectでは大洗町を舞台に観光での地域活性に向き合い、2020年に大洗町の「うみまちテラス」に転職。Uターンを果たします。転職やUターンに際しての葛藤は「全くなかった」と当時を笑顔で回想しました。

「まだ若いし、ここで迷っても仕方ない。やっちゃえ、やっちゃえという感じでした。それに、if design projectに参加して分かったのですが、大洗町には、よその人を受け入れてくれる人や、誰かと一緒にワクワクすることをしようよ、と思ってくれる人がめちゃくちゃ多いんです。そんな人たちと一緒に行動できたら、茨城や大洗はどんどん成長していくなって思って」

大洗町に住む人の姿に、茨城や大洗が秘めている今後の可能性を確信したという平間さん。それに後押しされるように、迷いなく行動をした結果、現在があるようです。

◆3.Uターンしたみての気持ちの変化

実際にUターンしてみた現在、平間さんは、転職前には地元に対して「こうあったらよいな」と希望や期待を持つだけであったものが、「こうしたら良くなるから、こうしよう!」という気持ちに変化、それを元に行動ができるようになった、とより自分の変化を感じているそう。

「行動ができるのも、協力してくれる方がいるからこそで、ありがたいなと思っています。

そんなふうに、いつも協力してくれる大洗の人やif design projectで知り合った方とは今後も関わりを持ち続けたいので、積極的にコミュニケーションをとっていきたいですね。移住しても周りに仲間がいなくて孤立してしまう人も多いと聞きます。自ら関わりに行こうとすることで得られるものもたくさんあるかもしれません」

と移住で得た気づきを教えてくださいました。

▼飯塚菜月さん(アーストラベル水戸株式会社)のお話

if design project第2期 東京>>水戸市

◆1.if design projectに参加しようと思った理由

学生時代は社会学を専攻し、地域の縁をテーマに卒論を書いた事もある飯塚さん。地域のつながりに興味を持ち、地域で活動する人の話を聞いては、「いきいきして楽しそう」と思っていたそうです。

if design project参加時は東京都で会社員をしていました。色々な仕事や働き方をバックグラウンドに持つ人が集まり、一緒に地域の事を考えられたのがとても楽しかった、と参加時の経験を振り返ります。

◆2.Uターンまでの葛藤はなかった?

飯塚さんが水戸市の旅行会社にUターン就職したのは昨年末。if design project参加からUターンを決めるまでの間の葛藤は「めっちゃあった!!」のだとか。

地元にはいつか戻りたいという気持ちをずっと持ちつつも、上京してから出会った知り合いもたくさんおり、当時の仕事にもやりがいをもっていたため、なかなか思いきることができなかったのだと語ります。

また、地方にもどる前に、もっと東京で勉強をしないといけないのではないか、地方では安定した仕事があるのだろうか、といった不安も強かった、と飯塚さん。Uターンを決めたきっかけは、コロナ禍で生活が変わた事だったそうです。

「コロナの影響で実家のある茨城に帰れなくなった時、例えば実家に気軽に帰れたりといった「仕事以外の部分」も私にとっては優先したい大切な事なんじゃないかと気づいたんですす。このコロナ禍では、どんな仕事をしたってリスクはあるなと考えたら、同じリスクならやりたいことをしようと思いました」

◆3.Uターンしたみての気持ちの変化

転職活動を経て水戸市にUターン就職した飯塚さんは、あの時参加しておいて良かったと話します。

if design projectを通して、自分と同じようにチャレンジをしている人と出会えたこと、人の縁が繋がったことがとても大きな経験となったそうです。

「今回の転職にあたっても、if design projectで知り合った仲間にたくさん話を聞いてもらいました。水戸に戻ってこられたのも、参加して得た人の縁によるところが大きかったと思っています。もし参加していなかったら、転職を相談できる人もいなかったかもしれません」

▼Q 地域に戻ってから得た出会いや人脈、気づきはありましたか?

坂本さん:

城里町には、数年前に地域おこし協力隊の先輩が立ち上げた地域協議会があります。例えばそこの会長さんなどは、地域に根ざして地域を良くしようとしているとてもセンスのいい人なんです。

そういった人に出会えると、地域生活はより楽しくなるなと気づきましたね。

平間さん:

「りんてつ応援団」という鹿島臨海鉄道を応援する団体があるのですが、その応援団のおじいちゃんおばあちゃん達の存在が改めて良いなと思いました。

彼らは、外から来る人をすごく受け入れ、積極的に話しかけてくれる人たちで、他の地域ではあまり見ないタイプ。そういう人達のおかげで大洗のファンになってくれる人もいるんです。僕もりんてつ応援団のおじいちゃんおばあちゃんと仲良くなって、今では朝一緒に散歩しています。

飯塚さん:

アーストラベルのお仕事で、子供たちとサイクリングツアーをした時、地域の人に協力をお願いしたんです。参加した子供達の「おもしろい!」って声を聞いた地域の人が、嬉しそうにしてくれたのが印象的でした。さらに、「こうした方が子供は喜ぶ?」とか「これはどうかな?」とみなさんで積極的にアイデアを出して私たちを助けてくださったんです。

私には今まで見えていなかったけれど、こんな風に楽しんでくれている人がいるんだなと改めて思いました。

 

▼Q 今取り組んでいることや、今後やっていきたいことを教えてください

坂本さん:

水戸ホーリーホックのクラブハウス「アツマーレ」での活動を積極的に進めていきたいです。一緒に企画をしたり、イベントに参加してくれる人も探しています。

 

平間さん:

if design projectの有志と結成した「大洗カオス」のウェブサイトがリリースしました。

サイト内に問い合わせフォームがあるので、大洗に関わりたい人は、是非「大洗をこうしていきたい」という内容や思いを入力して送信してください!

 

飯塚さん:

アーストラベル水戸では最近noteをはじめたので是非見てください。また、私に茨城のおすすめスポットなどを教えていただけたら嬉しいです。

 

最後に

if design projectに参加後、実際にUターンを果たした三人によるリアルなお話。三者三様の語りきれないストーリーがありましたが、三人に共通していることをあげるとすれば、自分から積極的にまわりとの関わりを持つことで、協力してくれる仲間を集めることができたり、地域に住む人の魅力に気づいたという体験なのではないでしょうか。

地域に関わってみたいという思いを持った時、自分から小さなアクションを起こすことで、素敵な出会いやアドバイスが得られるかもしれませんね。

登壇者紹介
坂本裕二
①坂本裕二さん(37歳) 城里町地域おこし協力隊として、2019年Uターン。 if design project 第1期 スポーツ地域に参加。37歳。 水戸ホーリーホックの地域課題に向き合った2018年。参加者時点では横浜に在住。if design projectに参加をし、城里町から声がかかりUターン。現在の城里町でのミッションは、水戸ホーリーホックがクラブハウスとして活用する「アツマーレ」の活用の模索。茨城県日立市出身。 ・城里町地域おこし協力隊  https://shirosato-okoshi.com/
平間一輝
大洗駅に新設された「うみまちテラス」に2020年8月Uターン就職。24歳。 if design project第2期 海×地域に参加。大洗観光協会の地域課題に向き合った2019年。参加者時点では、都内在住の会社員。生まれ故郷が大洗ということもあり、新しい観光施設の一員として転職に。いまもif design projectチームメンバーの「大洗カオス」の一員としてWEBを作成したり、大洗でのコンテンツ開発を行っている。茨城県大洗出身。
飯塚菜月
アーストラベル水戸株式会社に2020年12月にUターン就職。25歳。 if design project第2期 農×地域に参加。結城市の宮崎協業の地域課題に向き合った2019年。参加者時点では、都内在住の会社員。水戸出身で大学で社会学(地域社会学など)観光学を学んだことからUターンでも旅行業会の道を模索。縁あって、水戸の観光会社のアーストラベルに転職。 https://earthtravel2019.com/